子どもたちに平和な未来を 大軍拡に抗議し、憲法に根ざした平和な国づくりを求める
全国保育団体連絡会は、以下のように特別決議を発表しました。
特別決議
子どもたちに平和な未来を
大軍拡に抗議し、憲法に根ざした平和な国づくりを求める
2024年3月、政府はイギリス・イタリアと共同開発する次期戦闘機の輸出解禁を閣議決定しました。日本の私たちがつくった兵器がどこかの国の子どもや人々を傷つけ、殺すことにつながる恐れがあります。子どもの命を奪う策動への加担を許すことはできません。政府は安保3文書の閣議決定以降(それ以前からも)、日本を戦争する国につくりかえる動きを強めています。予算をとってみても、防衛費(軍事費)に莫大な予算を計上する一方で、子どもや子育て・保育、暮らしに関わる分野は切り捨てられています。子どもの安全・安心、健やかな成長発達は平和な社会があってこそのものです。私たちは政府のこのような動きに強く抗議します。
日本政府は2018年の集団的自衛権行使容認にはじまり、専守防衛の放棄、敵基地攻撃能力の保有など、これまで「平和国家の理念」とされてきたものを次々に投げ捨て、ついには次期戦闘機の輸出解禁にまで踏み込みました。この動きに呼応して軍事費は増加の一途です。24年度予算では過去最高額の約8兆円を計上、今後もさらに増加する見込みです。膨らむ軍事費の一方で、暮らしに不可欠な社会保障などの支出は削減、消費税率は35年間で10%に引き上げられてきました。岸田首相が目玉とした「異次元の少子化対策」も、その財源は国民の自己負担で確保するものです。子どもや子育て・保育、暮らしを守ることにかけるお金よりも軍事費を優先する、子ども・国民に冷たい政治と言わざるを得ません。
現在政府は「特定重要拠点」の配備を計画中です。北海道・四国・九州・沖縄を中心にした全国40か所の民間の港・空港を有事の際(平時の訓練でも)に自衛隊が利用できるよう軍備を行うというものです。争いを起こしてしまったら、相手国からの標的になることが懸念されます。墜落事故をおこしたオスプレイは強い反対を押し切って飛行を再開しています。幼い子どもの命が危険にさらされています。
私たち全国保育団体連絡会は子どもたちの健やかな成長発達保障を真ん中に、お互いの子育て・保育実践から学び合い、育ち合ってきました。子どもの笑顔やしあわせを実現するには平和は欠かすことができない、その思いで運動してきました。
日本国憲法は、前文で全世界の恒久平和の希求を求め「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」と明記しています。憲法9条では戦争放棄、交戦権の否認・戦力の不保持を宣言しています。
私たちは日本政府に対して戦争する国づくりではなく、憲法に根ざした平和な国づくりを求めます。これは私たちにも投げかけられている課題でもあります。世代、地域を超えて、みんなでつながり学び合いながら、今できることを探し、声を上げ、行動していきましょう。そして子どもたちに平和な未来を手渡しましょう。
2024年5月19日 全国保育団体連絡会