すべての子どもたちのために配置基準をはじめ保育条件のさらなる改善を求める決議
全国保育団体連絡会は、以下のように特別決議を発表しました。
特別決議
すべての子どもたちのために配置基準をはじめ保育条件のさらなる改善を求める決議
2023年12月22日、「こども未来戦略」が閣議決定されました。その中で、保育士配置基準について「4・5歳児について、30 対1から25 対1への改善」と明記され、3歳児についても、「4・5歳児と同様に最低基準の改正(20:1→15:1)を行う」とされました。2024年4月1日から、改正された「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」が施行され、特に4・5歳児については基準制定以降初めて、実に76年ぶりの改善です。
これまでみんなで長年積み上げてきた運動を土台として、愛知から始まった「子どもたちにもう1人保育士を!」の取りくみをはじめ、現場の保育者や保護者の切実な要求が声となり、今回の改善を勝ち取ることができました。これは大きな成果であり、今後のさらなる改善に向けた第一歩です。「声を上げれば変えることができる!」という手ごたえや確信を、多くの関係者があらためて認識したのではないでしょうか。
しかし、内容はまだまだ不十分です。最低基準は改正されましたが、「経過措置」が設けられ、「当分の間は従前の基準により運営することも妨げない」とされました。基準が改善されても、従前の基準で運営する施設もあることになります。改善された基準に従い職員を配置する施設については、それに対応する公定価格上の「加算措置」が設けられました。さらに、チーム保育推進加算やチーム保育加配加算を取得している施設は、「引き続き、当該加算のみを適用」とされ、今回の「4歳以上児配置改善加算」の対象外となっています。また、1歳児については、2025年度以降に先送りされました。そもそも、1歳児と4・5歳児の基準改善は、2012年頃の「社会保障と税の一体改革」時に提出され、積み残されていた課題です。10年以上経ってようやく改善に着手した訳で、これで終わらせることはできません。
今回、76年ぶりに配置基準が改善されたことは、これまでの運動の大きな成果です。地方議会においても、保育士の配置基準改善を国に求める意見書の採択が、飛躍的にすすみました。今回の改善を足掛かりにして、4・5歳児および3歳児の基準改善の完全実施、1歳児の配置基準改善の早期実施、ならびにすべての年齢における基準の改善を求めていきましょう。そして、子どもたちに豊かな乳幼児期のくらしを保障するために、合研や『ちいさいなかま』をとおして、語りあい、学びあい、幅広い人たちと手をつなぎ、みんなで声を上げ、さらなる保育条件改善や処遇改善を勝ち取っていきましょう。
2024年5月19日 全国保育団体連絡会