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(12.03.31)新システム関連法案に関する全保連のコメント

 3月30日に新システム関連法案が閣議決定され、国会に上程されました。
 法案は内閣府ホームページ内の http://www.cao.go.jp/houan/180/index.html に掲載されています。
 全国保育団体連絡会はこの法案に関して、全保連速報で以下のようにコメントしました。


2012年3月31日
全保連速報
全国保育団体連絡会/TEL03-6265-3171/FAX03-6265-3230

新システム関連法案閣議決定、上程へ!
公的責任を放棄する保育の市場化路線明確に

 政府は3月30日の閣議で消費税増税法案とともに、新システム関連3法案(@子ども・子育て支援法案、A総合こども園法案、B子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律)を閣議決定し、国会に上程しました。通常国会での成立をめざし、2015年度からの完全実施をめざすとしています。
 法案全体は「指定こども園」「特別利用教育・保育」など新たな文言が多用され、複雑で難解な文章となっており、一読しただけでは理解しにくいものです。しかし、児童福祉法24条の「改正」により市町村の保育実施義務がなくなること、応諾義務は意味をなさないこと、施設基準の低下とダブルスタンダード、運営費の使途制限撤廃・尻抜け規制など、私たちがこれまで問題としてきた内容がそのまま提案されており、認めることはできません。

○児童福祉法24条の改悪で公的保育制度は解体へ

 市町村の保育実施義務を定めていた児童福祉法24条第1項は、「市町村は」「児童について保育を必要とする場合において」「児童に必要な保育を」「保育所」等「により確保するための措置を講じなければならない」と書き換えられます。
 これは「市町村は」「保育しなければならない」としていた従来の入所措置の規定とはまったく異なり、市町村の責任での入所・利用を保障するものではありません。具体的には24条2項に規定される保育が不足している時の利用調整や利用要請を行えばそれでよしとされ、保護者と保育所が契約できず、子どもが保育を受けられなくても市町村は関知しない、ということになるのです。
 一方、新24条4項では「市町村は」「保育を受けることが著しく困難」な児童(虐待の恐れのある子ども等の入所などを想定)を「市町村の設置する保育所」等に「入所させ」「又は」「入所を委託して、保育を行わなければならない」として、現行24条1項と似た記述をしています。
 この特殊ケースへの対応に比べると新24条1項の市町村責任は非常にあいまいです。
 「(一般の保育については)市町村は契約の締結を強制することはできず、あくまでも契約締結に向けた支援を行う義務があるにすぎず、不服申し立てや行政訴訟もできないと思われる」と法律の専門家もコメントしています。市町村の保育実施責任の後退、保育が保護者の自己責任となることが、いっそう鮮明になっています。

運動はこれからが本番!
問題ばかりの新システムは撤回しかない!

 新システム関連法案については、詳細な分析と読み込みが必要ですが、当面、これまで指摘してきた問題点が法案に具体化されており、新システムは待機児童の解消など保育・子育て問題の改善につながらないばかりか、さらに混乱を招くものであることを広く伝えていきましょう。
 本日(31日付)の読売新聞に「保育をよくする会」の新システムに反対する全面意見広告が掲載されています。学習パンフなども活用し、署名を軸に法案撤回を求める運動を広げ、子どもを守る世論を大きく広げていきましょう。

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