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(09.10.14)保育所最低基準の緩和、地方条例化方針に対する「緊急要請」について
全国保育団体連絡会は、新政権が地方分権改革推進委員会第3次勧告を受けて、保育所最低基準の緩和、地方条例化の方針を固めたとの報道をふまえ、こうした新政権の動向に対し緊急要請をまとめ、10月13日に関係大臣、副大臣、大臣政務官に要請を行いました。
(「緊急要請」はこのリンクからご覧いただけます。)
この間、「原口総務大臣が年内にも保育所最低基準の廃止・縮小、緩和に着手するよう指示」(10/7付読売)、「政府は保育所の設置基準を緩和する方針を固め、11月までに厚労省令の改正を検討する方針を長妻厚労相と原口総務相が確認」(10/12毎日)、などの報道が続いています。地方分権改革推進委員会第3次勧告推進の立場での各紙社説(10/8付読売、日経、毎日 10/9朝日)でも、保育所最低基準が国の規制の象徴であるかのような論調が目立っています。 そもそも最低基準は児童福祉法45条に厚労大臣が定めるものとして規定されており、児童福祉法の改正なしに、変更ができるのかどうか疑問がありますが、こうした動きを見過ごすことはできません。
先に全国保育団体連絡会が実施した「入りたいのに入れない 保育所ホットラインU」(10/2〜3)には待機を余儀なくされている方たちから切実な保育所入所の要望が多数寄せられました。しかし、待機している保護者は、どんな保育所でも入れればいいと思っているわけではありません。保育の質や条件が確保された施設での受入を求めているのです。それなのに諸外国と比べても劣悪な最低基準を、さらに引き下げていいのでしょうか。
この間、保育所が増えなかったのは、最低基準が足かせになっていたからではありません。国と自治体が本気で保育所の増設に取り組んでこなかったからです。1970年代には毎年800カ所近くの保育所が増設されました。しかし近年の政権は、待機児童ゼロ作戦などを掲げながら、規制緩和策ばかりに熱心で、保育所を積極的に増やしてきませんでした。1995年から2009年までの15年間に保育所はわずか430カ所しか増えていないのです。 保育所運営費の一般財源化など地方財政を逼迫させたうえに、保育における市町村責任をなくして企業まかせにする制度改革が準備されているとなれば、市町村が保育所整備に積極的になれないのも当然です。
自公政権の無策が引き起こした保育所不足を理由に、子どもを狭い保育室に押し込め、保育者にたくさんの子どもの保育を押しつけるような規制緩和は絶対に認められません。 新政権には自公政権の規制緩和路線とは決別し、「質の高い保育の確保」という政策合意にもとづいて、必要な財源を確保して国・自治体の責任で質を維持した認可保育所を増やすことを強く求めていきましょう。
先に公表した「新内閣への要望」と「緊急要請」を活用して学習、宣伝活動をすすめ、より多くの保育関係者に「規制緩和より、制度改悪より、保育の質を確保した待機児童の解消を!」の声を大きく広げていきましょう。 各地から関係大臣など政府と与党議員に対し、地域の実態を伝えながら要請を強めていきましょう。
下記のリンクから「緊急要請」ページを表示します。 保育所最低基準の緩和、地方条例化方針に対する「緊急要請」
地方分権改革推進委員会第3次勧告は、下記の内閣府ホームページ内地方分権改革推進委員会ページにて掲載されております。 地方分権改革推進委員会
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