全国保育団体連絡会

ロシアのウクライナ侵攻に抗議します

全国保育団体連絡会は、ロシア政府のウクライナ侵攻に対し、以下のように抗議声明を発表しました。

ロシアのウクライナ侵攻に抗議します

子どもたちが安心して暮らせる平和な社会を
#「どんなことがあっても戦争はだめ!」

 この2月24日、プーチン・ロシア大統領は、ウクライナへの軍事侵攻を開始しました。破壊行為はエスカレートし、犠牲者も多数出ており、原発への「攻撃」や「占拠」まで行われる深刻な事態に至っています(3月6日現在)。
 私たちはメディアやSNSを通じて、時々刻々、人々のはかりしれない苦難を目の当たりにしています。150万を超える人々が着の身着のまま避難し、子どもたちは地下に隠れながら「怖いよ」「死にたくないよ」と涙しています。胸が張り裂けるようです。
 「どんなことがあっても戦争はだめ!」です。そこには勝者も敗者もありません。苦しむのは、庶民と弱い立場の人たち、そして子どもたちです。命は世界より重いのです。

 私たちの憲法はその前文で、平和への強固な決意を掲げています。
 「日本国民は、恒久の平和を念願し・・・平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。・・・われらは全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和の内に生存する権利を有することを確認する。」と。
 近年、わが国では、憲法の平和主義に対して、「空想的」「アメリカによる押しつけ」と非難・批判し、「憲法9条を変えろ」という声も少なくありません。プーチン大統領が、核兵器の使用を示唆する発言を繰り返していることや、それに乗じた「だから核の武装や使用を検討すべき」「非核三原則は時代遅れ」など、軍備拡張への声高な主張を見過ごすことはできません。どれほど強大な軍事力をもっていても、平和を築くことはできません。平和を築く土台にあるのは人と人との関係であり、対話なのです。

 保育・子育てにかかわる私たちは、子どもたちが、いつも相手のことをよく見ていて、相手の立場に立ってありのままに理解しようとしている姿に感心しています。たとえ一時的に感情が高ぶっても、仲直りができる根っこのところには、そうした他者へのまなざし、かかわり方があるように思います。
 人と人との関係があるのなら、相手にそんなに無茶なことはできないというのが人間の本質です。人との結びつきや付き合いを断ち切ってもかまわないという発想が、暴力による支配につながっていくのではないでしょうか。だからこそ、子どもたちには、時間をかけて、人とのかかわりの中で生きることの素晴らしさを伝えたい―それが私たちの使命だと考えています。そしてそのためには、もっとゆったりとした時間の中で、子育てや保育ができるような保育環境、社会、政治を作っていかなくてはならないし、平和であることが欠かせません。

 私たち保育者、保護者、子どもにかかわるすべての大人のねがいは、子どもたちが安心して暮らせる平和な社会の実現です。私たちはロシア政府のウクライナ侵攻に強く抗議するとともに、日本政府には憲法9条を生かした対話と協力の外交努力を改めて求めます。
 そして唯一の戦争被爆国、憲法9条を持つ国の国民として、身近にいる人と今できることは何かを話し、いっしょに「どんなことがあっても戦争はだめ」の声をあげ、その声を広げるために平和を求める日本の、世界の人々とつながり、行動していきます。

2022年3月9日
全国保育団体連絡会常任幹事会

抗議声明PDF

「子どもたちに平和な社会を」「戦争はダメ」の願いを込めたプラカードを作成しています。
プリントアウトして、ご活用下さい。
No War
NO WARプラカード(PDF)